私が愛してやまないビートルズ、そしてジョン・レノン。そのジョンに対しての気持ちを書くはずが、ビートルズを題材にした、 当人の回顧録になってしまいました。単なる一人の人間の戯言に過ぎません、不快に思われる方は読まないようお願いします。 |
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拝啓、敬愛なるジョン・レノン様 M 第14話 新春コンサート |
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新春コンサートの日は目覚めると雪が積もっていて慌ててしまった。近所の同級生のM君とY君に頼んで軽トラックに楽器を積んで出発したが、途中でタイヤがスリップして見事軽トラックは道路の側溝へ嵌り込んでしまった。少し動揺したが、このM君とY君柔道部の主将と副主将である。「せーのー」で見事に車を引きずり上げた。 まるで「ファイトォー、いっぱぁつ!」のようだった。人間のパワーなんて同じようなモンだろなんて思ってた僕は、考えを改めさせられた。こういうヤツらを敵に回してはいけない。 会場は地元の市民会館の中ホールでやることになっていて、そこには佐野君が待っていた。彼のバンドのメンバーに挨拶をして僕達が準備を始めると、僕等に後で出演するようにと言った。 今回のメインは彼等なので当然僕等が前座で彼等がトリを務めなければならない。それはおかしいだろうと詰め寄ったが、集客の数から言っても断然君達だろうということになり、僕達がトリを務めることになった。観客といっても身内を中心にその友達やらで4,50人くらい。PAなども備わっていない貧弱な設備だったが、そこそこの観客の前で演奏するのはあの文化祭以来の事で、さらに上達した僕等を見てくれることに満足していたように思う。 昨年のクリスマス・パーティで知り合ったお姉さんも友人と連れだって来てくれた。ブラウンの革ジャンにタイトなジーンズ、黒いロングブーツというお揃いの格好でカッコ良かった。全然知らなかった人がこうして見に来てくれたことに僕達は凄く感激していた。 |
約1時間くらいのステージだったと思う。キャロルを中心にビートルズを織りまぜて25曲くらいは演奏しただろうか。ビートルズは「She
Loves You」「I Saw Her Standing There」などをやった。 再結成してまだ3ヶ月そこらのバンドだったが、かなりノリも表現出来るようになり、観客と共に結構楽しんでいた。 ター君は知り合って、それこそ3ヶ月だったが、何年も昔からそこに居るような顔でギターを弾いていた。 彼はキャロルから入ったギタリストなので、ビートルズが新鮮なようだった。だから僕達のバンドに入ってからビートルズを片っ端から聴き漁っていた。 |
新春コンサートも無事盛況に終わって、2,3日経った頃、僕に電話があった。朝日放送のスタッフからである。この頃の深夜ラジオ番組で人気のあったのが「ABCヤングリクエスト」の『ミキサー完備スタジオ貸します』のコーナーだった。深夜のそれも2時頃に始まるという誠に理不尽な番組なのだが、アマチュアなら誰でも出演出来るというところが若い僕達に人気があったようだ。司会は浪速のモーツァルトことキダ・タロー氏で、フォークありロックありで上手いのから下手なのまで色んなグループが出ていた。そこで僕達も出演出来ればとハガキを出しておいたのである。電話が来た時は信じられなかった。受話器を置いた途端、小躍りしてしまったことを思い出す。収録は2週間後、すぐさまメンバーに連絡を取った。 |
他のメンバーも興奮醒めやらぬと言うか、まだ僕が冗談を言ってるのではないのかと最初は疑っていたが、ようやく信じたもようで、何を演奏するか意見を出し合った。この頃キャロルのコピーで出演するバンドの定番と言えば「ファンキー・モンキーベイビー」や「憎いあの娘」が殆どで、あとは「ルイジアンナ」とか「涙のテディ・ボーイ」などの有名曲ばかりだった。これを外すとしてもあまり知られていないレアな曲をするのも何だし、そこそこ知られてはいるが少し「通」な感じのモノをと言うことでメインを 「ヘイ!タクシー」2曲めを「グッド・オールド・ロックンロール」に決めた。「ヘイ!・タクシー」は当然ラスト・ライブ・バージョンだ。 それは今までこれを演ったキャロルのコピバンが居なかったからで、この曲は特にター君のお薦めというか、イントロがギターの掛け合いで始まるこの曲が彼は演りたくてしょうがなかったようだ。「グッド・オールド・ロックンロール」は僕の意見を取り入れての決定である。 |
L N |
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