私が愛してやまないビートルズ、そしてジョン・レノン。そのジョンに対しての気持ちを書くはずが、ビートルズを題材にした、 当人の回顧録になってしまいました。単なる一人の人間の戯言に過ぎません、不快に思われる方は読まないようお願いします。 |
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拝啓、敬愛なるジョン・レノン様 L 第13話 新生SELTAEB発進 |
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ター君を新しいリードギターに迎えたのを期に、練習場所を僕の離れに移すことで毎土曜日の夜から翌日の日曜日の夕方までの練習が可能になり、僕等のバンドは見る見るうち上達して行った。 何か今まで解けなかった知恵の輪が急に外れたというか、水が関を切ったように流れ出したと表現すればよいか、まさにそのような状態で、やっと自分達のやりかたを発見したというような感じだった。 |
曲はいきなりキャロル一辺倒になった。ビートルズは好きだが、どうもあのグルーブ感を表現するのが難しく、ちゃんと演奏しても間が抜けたように聞こえる。 その点キャロルはアレンジの所為もあるのか、きちっとやればきちっと聞こえると言うことで、曲目はキャロルをメインにという進路変更をすることになった。 当初ビートルズコピーを目指して発進した身からすると、少し挫折したような感は否めなかったが、ビートルズの曲も少なからずともやるということで、皆の意見は一致した。こうしてキチンとしたレパートリーが増えて段々と自信が付いて来ると誰かに聴いてもらいたくなってくるのが人情である。 |
再結成から一ヶ月たったばかりの12月に、とあるクリスマス・パーティへの出演依頼があった。 武澤君の級友の兄がパーティのバンドを任されているのだが、バンドが足りないので僕達に出演して欲しいとのことだった。 その頃は早くもキャロルレパートリーだけでも10曲を優に超えていたから、その他の曲を交えて小一時間程度なら充分に賄えた。そのパーティの来客は結構大人で僕達は最年少者という感じだった。 それにロックンロールも何となくこのパーティには相応しくないように感じたが、そこは何と言っても若さで勝負!みたいに怖い物無しの僕達は弾けまくったワケである。 丁度ディスコ・ミュージックが流行り出していた頃でもあり、一部の来客からはシカトされてたが、僕達は気にせずに演奏した。そのうち一人だけ脚でリズムを取りながら聴いてくれてる観客に気付いた。背の高いスラッとした美しい女性だ。僕達は演奏が終わってから彼女と話した。年齢は二十歳と聞いたが、僕達とは大きくかけ離れた大人の女性のように映った。 パーティのおつまみやドリンクを口にしながら、結構おしゃべりをした。こういうのは武澤君が得意で、彼に引きつられて僕等も馬鹿話で大ウケになる。彼女はすぐにうち解けてくれて5人で大はしゃぎになった。 |
少し前に佐野君からの電話で、年明け早々に「新春コンサート」と題してコンサートを開催するので出演してくれるようにとのオファーがあり、僕等はそれに出る事に決めてたので、彼女にそのコンサートに来てくれるように約束して別れた。 僕達は新春コンサートに向けて毎週土曜日の夜に僕の離れに集合しては練習を続け、さらにレパートリーを増やし、演奏の向上を目指した。この頃はとても楽しかった。 コンサートの出演なども楽しかったが、こうして練習しながら馬鹿騒ぎするのが楽しくて、お互い昼夜を問わず笑い転げていた。なんか妙なクスリやタバコでもやってるんじゃないかと疑われるくらい、色々なギャグの連発で腹がよじれるほど良く笑ったものだ。 |
K M |
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