Episord 49 リボルバー |
ビートルズが成長し、大人になりつつあるのは明らかだった。彼らがいよいよ自己主張を強めると、エプスタインは自分の役割が無くなるのではないかと恐れ始めていた。ビートルズはツアーを中止してしまったが、そのことを知っているのはエプスタインだけである。会社の人間にすらエプスタインは知らせていなかった。 |
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このアルバムでは、ジョージ・ハリソンの曲が3曲含まれていることが目を引く。「Taxman」、「Love
You To」、「I Want To Tell You」ジョージの作曲家としての才能が花開いたと見る向きもあるが、果たしてどうだろうか。 「Love You To」は、このころ夢中になっていたインドの楽器シタールをフィーチャーした作品である。ジョージのインド音楽への憧れは、このあと他のメンバー達をも引き込むことになるのだが、ビートルズの音楽を振り返ったときに、シタールはあまりにもその部分だけ突出しているような気もする このアルバムでも、やはり、一般的には「Taxman」のような曲が受け入れやすいのではなかろうか。 ただ、その「Taxman」も、ジョージの作品には間違いないが、ジョンの助けを得て完成した作品でもあることが解っている。生前のジョンがこの時のことを話している。 「ジョージは僕に電話で、助けてくれって頼んできた。僕に電話したのはポールには言えなかったからだよ。その頃なら、ポールはジョージを助けはしなかった。僕も自分自身とポールとの曲で手一杯だったからから、気乗りはしなかった。でも、僕はOKした。“ジョンとポールの時代”が長く続いて、ジョージは取り残されていた。その当時、ジョージはまだソングライターではなかったんだ」実際、ジョージは、これまでのアルバムで、1〜2曲ボーカルを割り当てられていただけだった。 彼には、レノン=マッカートニーの作品に協力する役割が求められていた。元々ジョージはギタリストとして上達することに熱心だった。ジョンとポールが楽器を持つと、すぐに曲を創ろうとしたのとは好対照である。ビートルズが有名になるまでは、それで十分だった。 レノン=マッカートニーの創作意欲は途方もないものであったから、次々に創られる曲を“ビートルズの作品”として磨き上げ、完成させるために、ジョージは必要とされていた。しかし、ジョージは、アルバムで歌う曲を何とか自作曲でまかなえるようになりたいと考えるようになったのである。彼が取った方法は、テープレコーダーに思いついたフレーズをどんどん録音していくというものだった。 「あとから再生してみると、その中に使えそうなフレーズやパッセージが3つか4つある場合があるんだ」 「ひとつの機材では時間の無駄としか思えないようなフレーズでも、ミキシングしたり録音したり、場合によってはダビングしたりすると、可能性が出てくるんだ」こうして完成した曲をジョンとポールに聴かせるのである。 「ジョンとポールに曲を聴かせるのはいつもためらっていたよ。彼らには1回聴かせただけで納得させなければならなかった。だから尻込みして聴かせずしまい込んでいる曲がたくさんあった」 |
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