Episord 18 ジョン・レノン |
いつの世にも、時代は若者が切り拓いて行く。若者に耳目が集まるのは当然のことであろう。ならばと考える。 |
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戦争が始まった頃、ニューヨークにいた彼は、リバティ船(戦争に係わる仕事をする船)に階級を下げられて転属されそうになり(そういうことがあるのかどうかは解らないが)それを逃れるために、乗船せず、収容所に入れられる。 しかし、結局、リバティ船で北アフリカまで行くことになり、そこで、積荷を盗んだという無実の罪で監獄に入っていたのだと言うのだ。 真犯人は下船しており、申し開きのしようがなかった... どうもフレッドの話は、そのまま信用しかねるところがあるのだが、彼の言葉ではこのようなことになる。 それでもジュリアは、ジョンに対して悪い印象を与えまいとしている。 「2人でいつもふざけあったり、笑ったりしていたと母は言っていた。フレッドはきっと人気者だったんだろう」(ジョン) 少なくとも、ふざけ合っていたというのは確かだった。ミミの話によれば、ジュリアもまた一風変わった女の子だった。 「明るくて、シャレが上手で、ほんとに面白い子でした。 ただ、もう面白おかしければ、それで十分という感じで、 相手の本心がわかった時には、いつも手遅れなんです。『罪を犯されこそすれ、犯した覚えのない子』なんですよ」 要るべきときに居なかった父親は、やがて再び海へ。 ジュリアは同棲を始め、ジョンはミミが引き取る。 ジョンが5歳になった時、フレッドはミミの家に電話をする。 「ミミにジョンを連れて行っていいかと訊いた。いけないとは言えないわというのが返事だった」 そしてフレッドはジョンを連れて行った。ミミはジョンの行く末を案じたに違いない。 フレッドは仲間とともにブラックプールという街で暮らしていた。戦争に紛れていろいろな商売をしていた彼には金があったという。 友人と共にニュージーランドへ移住する決心をして、すべて準備が整った時、ジュリアがやってきた。 ジョンを返してくれというのである。 「私はジョンを呼んだ。『父さんと暮らすか、それとも母さんの家へ行くか、どっちにするかを決めなさい』 ジョンは、父さんと暮らすと言った。 ジュリアがふたたびジョンに訊いたが、やっぱり父さんと暮らすと言った。ジュリアは、家を出て行った。すると、ジョンが母親を追いかけて行った。それが最後さ。 次にジョンの噂を聞いた時、彼はビートルズになっていたんだ」 |
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P R |