The Words 007 ステレオ、モノラル、あなたはどの音派?

 ビートルズが活躍した頃はちょうどオーディオシステムがモノラルからステレオへと変わっていく時代でした。1962年、デビュー当時はモノラルが主流でしたので、レコードはモノラルのミックスを第一に考え、これから広まるであろうステレオもその後ミックスし直し発売していきました。(本人たちはステレオミックスには立ちあわなかったようです。)
 モノラル、ステレオそれぞれのプレーヤーで再生したときもっともいい音が出るようにミックスしていったわけです。彼らが世に送り出そうとしていたのは最初は明らかにモノです。オリジナルはモノ、その後ステレオという順番です。ただし、過密なスケジュールのためミックスに全て立ち会うということはしていません。モノミックスでもジョージマーチンの指揮のもとに行われていただけです。ビートルズはイギリス国内から世界中へと飛び回っていました。
 また、’60年代はステレオへの過渡期であったためにやがてステレオを第1に作ります。ステレオのミックスをまず考え、モノも作るというように初期とは前後が逆転していきました。(アルバム「レット・イット・ビー」「アビーロード」はステレオのみです。)
 ’70年代に入ってオーディオシステムはステレオが主流となり一部には4チャンネルレコードまで発売する会社もありましたので、当然ステレオのレコードがメインとなってきました。しかしその一方でThe Beatlesの音の原点回帰からやはり、オリジナルモノが彼らの作ろうとしていた音だという事からオリジナルモノこそ大切にしなくてはという気運も高まりました。ところが、発売当時のオリジナルモノとは70年代以降再発売された「オリジナルモノ」は音が異なります。なぜなら音源は当時のままでもカッティングマシーンが当時の物とは異なるからです。また、国によってはステレオミックスから単にモノにしたものまでありました。こうして様々なステレオ、モノが入り乱れ発売されてきました。
 「オリジナルモノの特にファーストプレスが音がいい。」と言う人もいれば「オーディオとして聞くとステレオ盤の方がはっきりして断然いい。」と言うように評価はいろいろ分かれてきます。
 ともかく1962年から1986年まで多くの人々の心をふるわせたのは、レコードであったことには違いありません。                          by Fukusuke
    
詳しくはFukusukeさんの「BEATLES CD LP」のサイトをご覧下さい。
 
Cuts コマンチャさん 真一郎さん