Words-001-1  「BEATLES」それは定説である  /SMGさん
「BEATLESってなんなんだ?」 重いテーマです。にわかには思い付きません。
「青春だ!」なんて言うほど年季は入っていませんし(笑)。
天井を眺めながら暫く考えた結果、「BEATLESとは定説だ!」という結論に至りました。
何故定説か。それは捨て曲がないから。

私が「これがBEATLESだな」と意識してBEATLESを聴いたのは、中学生の時に友達の家で、友達の兄貴が持っていたLET IT BEを聴かせてもらったのが最初だと思います。
彼らが解散してから10年近く経ってのことです。BEATLESがブレイクしてから数えると15年以上経っている訳です。彼らの音楽が語り尽くされ評価が定まるに充分な時間ではないでしょうか。
私はおっさんなせいか、伝説的バンドの曲をよく聴くのですが、ペイジを擁するZEPであっても、神様クラプトンを擁するCREAMであっても、「この曲はちょっとなぁ」という曲があります。
ZEPの場合は私が若い頃はまだ現役のバンドとして存在していましたし、CREAMは世論を動かす程メジャーな存在ではなかったことから、私自身が彼らに対して評価を下す時間を与えられたからなんだと思います。
ところがBEATLESは世論を動かすほどのパワーを持ちながら、そのパワーを温存させたままある日突然消えてしまいました。しかもその時私はまだほんの子供で、それから10年近く経ってから初めてBEATLESを聴くことになります。つまり私は中立的な環境下でBEATLESの音楽を評価する機会をもらえなかったということです。
私にとってBEATLESの曲に捨て曲はありません。それはBEATLESが私の音楽的好みに完全にフィットする曲を提供したからなのか、私の音楽的好みが彼らの曲を受け入れるように変化したのか、ある曲は前者であり、ある曲は後者すなわち私が世論に迎合した結果なのでしょう。
今や昼飯を食いに行けば有線でBEATLESが唄い、エレベーターに乗れば弦楽四重奏がBEATLESを奏でています。もはや、モーツァルトの音楽を是として世の中が受け入れているように、BEATLESもモーツァルトと同程度に定説として扱われる存在になったのだと思います。                                            2005,04,09