■まずは土地ついて■

 土地のある方は幸せですが、住宅を建てる上で土地探しから入らなければならない人達は大変です。当たり前ではありますが、建物を建てるにあたっての最初は、まず土地ありきなんですよね。土地が無いと建物は建ちません。しかし、日本という国の土地は狭くても建物と同じく高価な物です。土地を購入してさらに建物を建てるとなると、かなり高額になってしまうのは必至ではあります。だからこそ、全体の予算から考えると、土地代は安ければ安いに越した事はありません。その差額を建物に活かす事が出来るからです。といった処で、このコーナーは土地の購入についてのコストダウンについて、あれこれと考えて行きたいと思います。
 1.用途地域の一考
   
   敷地の位置
どういう用途地域の土地を購入するかといった事も考慮する必要があります。第1種低層住居地域などは確かに住環境が良いのですが、値段も跳ね上がります。例えばその第1種低住で60坪の土地を購ったとしましょう。建ぺい率40%、容積率60%です。さらに壁面後退が1.5m。土地は高いが、建物の延べ面積は30坪余りしか建てられません。建築基準法上、工業専用地域には住宅を建築することは出来ませんが、その他の用途地域では建築可能です。工業系の用途地域でも住宅化が進む地区があります。住居系の用途地域に隣接した、容積率、建ペイ率の高い準工業地域などが狙い目です。
また、当たり前ではありますが、交通の便の良い都心部より、少し不便であっても田舎に近づく方が安く手に入れられます。外壁同志が迫り合う、風の通らない肩身の狭い窮屈な街に棲むより、多少の自然と対峙出来る田舎暮らしもいい物ではないでしょうか?
 2.不整形宅地・傾斜地 定形的な平面形状または空間構成を持つハウスメーカーでは建てられない条件の厳しい土地は比較的安い価格で流通しています。三角形の土地や、旗状の土地(奥に土地があって、専用通路でそこに行き着くような物)または、半分が崖地になっているような土地などです。こういった不整形な土地ほど、工夫次第では良いものができます。不整形地の価格は対象地の存する近隣地域の標準的土地建物の利用形態からその不整形状でどの程度の支障、阻害を受けるかで決定されるそうです。
 3.狭小宅地・極狭宅地 都心居住の一つの方法として、狭小宅地に建てる建築が注目されています。また、極狭宅地という土地も見逃せません。私の住む奈良県の古い街には俗称「ウナギの寝床」という町屋の宅地も多く存在しています。以前私も間口2間(3.6m)で奥行き30mという土地に住宅を設計した事があります。更地に立つと、う〜ん..と考えてしまいますが、割り切った計画をすれば、狭さなど感じる事なく、逆に個性的な生活が送れます。
狭小宅地は環境面や防災面から問題があります。よって、それを乗り越える創意工夫や空間的な構成をよく考えないとタダの狭い家になってしまいます。
 4.競売物件 リスクが高い分、価格は安いといわれています。現地に行って物件(事前に建物内部を見ることは出来ない)を確認することが必要です。競売物件に人が住んでいる場合には,その明け渡しを買受人が自ら交渉しなければなりません。入札に参加するには最低売却価額の20%の保証金が必要です。競売では代金を分割して納入することはできない(約1か月後までに入札金額から保証金を除いた代金を一括して納付)ので,あらかじめ資金のめどをつけておく必要があります。平成10年12月の民事執行法の改正により,金融機関のローンを利用することが容易になったようです。
 5.定期借地権 住むことが目的なら土地は借地でもいいはずです。定期借地権を使うと、借主は高額な権利金を負担することなく長期間土地を借りられます。集合住宅では、建物穣渡特約オプション付きの一般定期借地権とスケルトン−インフィルなどを組み合わせた「つくば方式」と呼ばれる供給方式が注目されています。
また、30年後、50年後になった時に、この法律もどう変化しているかは実際の処解りません。




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