第6章 お隣との境界についてのあれこれ

ここでは隣地境界をめぐるトラブルに対処出来る民法を掲載しています。
かなり古い部分もあり、現在に当てはまらない部分もありますが、ご参考までに

界標 民223
民224
1)界標は境界線を示す溜めに用いられ、普通は石材(長さ1m弱、10p角)を用いる。
  (ただし、土地の習慣が優先する。)
2)界標の費用 →隣地所有者と共同の費用で設置する。(隣地所有者はそれに応ずる義務あり。)
3)費用負担の割合 →界標の設置保存は平等であるが、その為の測量の費用は土地の広狭に
  応じて負担する。
民223 1)塀は隣人と協力して造る事が出来るが、その位置、材料、高さ、費用等協議が整わない時には、
  板または竹垣で高さ2mのものとする。そしてその位置、保存の費用は半分ずつ負担する。
 (この場合、この塀は共有ものとなる)
  ただし、一方が程度の良い塀(大谷石等)を希望した時には、他方が反対してもそれになるが、
  この場合程度を上げた人がその差額分を負担する。
 (ただし、その土地の習慣がある時はそれ に従う)
2)必要以上に高い塀を造って隣人の日照を妨げる事は許されない。
3)その築に既に建築協定が出来ていて、たとえば塀は生け垣にするなど決めてあれば、それが
 優先される。
隣地立入権 民209 境界に塀や建物を造る為、または修繕する為、隣の敷地に立ち入る事は出来る。
(ただし、承諾が必要)
竹木の切除権 民233 隣の土地の竹や木で境界線を乗り越えて来た物に対しては、隣人はその所有者に枝を切り取らせる事が出来る。
距離保存権 民234
民236
建65
建54-2
1)建物を建てる場合には、隣地境界線より50p以上離さなければならない。
 (ただし、これと違う習慣がある時には、それによる。)
  もし、この規定に反して建築しようとしている場合は、隣の所有者はその建築をやめさせ、または
 変更させる事が出来る。(ただし、建築に着工してから1年以上たった時またはその建物が完成し
 てしまった時では、損害賠償の請求しか出来ない。)
2)防火地域又は準防火地域で外壁が耐火構造の場合は、隣地境界線に接して設ける事が出来
  る。
3)第1種または第2種低層住居専用地域や地区計画の地域では、都市計画により敷地境界線より
  1mまたは1.5mの後退距離が定められる事がある。
観望施設の
制限
民235 境界より1m未満で他人の宅地を眺める事が出来るような窓や縁側を作る時には、目隠しを付けなければならない。(この1mの距離は、窓または縁側の一番隣の土地に近い処から境界線までを直角に測った距離をいう。)
境界線付近の
穴掘り
民237 1)井戸・用水溜め・下水溜め・肥料溜めを掘る時→境界からの距離≧2m必要
2)池・あなぐら・便所用の穴を掘る時→境界からの距離≧1m必要
3)水を通す管を埋める・溝を掘る時→境界からの距離は境界線からそれらの深さの半分以上の
  距離が必要(ただし、1m以上離す必要はない。)


自然排水

承水義務

民214




排水に関する
受忍義務

民220



All copy right YARD Yoshimura arch office reserved