第1章 敷地について

(建てられる地域・建てられない地域)


●敷地に
ついて
まず建物を建てるには敷地が必要ですよね。あまりに当たり前過ぎて馬鹿みたいな書き出しですが。
ここで問題になるのが、その敷地の属している地域が何処であるかと言う事です。土地さえあれば何処にでも建てられるといった物ではありません。
大きく分けると、まず都市計画区域内の地域と区域外の地域があります。都市計画法の適用がある区域とそれ以外(摘要外)に分かれます。区域外というと色々ありますが、大体人の棲んでいない山中や無人島みたいな物をイメージして頂くと解りやすいでしょう。
一般的な敷地というのはお察しの通り、都市計画区域内の地域が殆どです。次にこの都市計画区域内の地域内を二つに分けると、市街化区域市街化調整区域とに分かれます。市街化区域は市街化を促進している区域で、住居系、商業系、工業系と、この中でも様々に細分化されています。これに反して市街化調整区域とは市街化を抑制して緑地や田園等を残し、住宅やその他の建物の乱立を防ごうとする区域です。
だから、一般的には市街化調整区域に建物を建てられない訳です。しかし、絶対に建てられないと言う事でもなく、一部の特例があります。次はその件についてのご説明をします。
都市計画法

イメージ図
●市街化調整区域に建てられる物 1)農業、漁業、林業に携わる人達が利用・使用する建物
  農家住宅(本宅の建替え、分家住宅の新築)農業用倉庫(農機具倉庫)など
2)法以前の建物の建替え
  昭和45年6月に施行された建築基準法の改正(用途地域の細分化)以前にすでに建っていた建物
  の増築、または老朽化等による建物の建て替え(法以前の建物の既得権)
  ただし、その建物の用途は変更出来ません。住宅なら住宅、店舗なら店舗といった具合に、既存と同じ
  用途でなければなりません。解りやすく例えると、以前は専用の住宅であった物を今回店舗付き住宅と
  しては建てられないと言う事です。
 (小さなタバコ店程度であっても駄目です。)
3)地域住人のサービスに関わる建物(沿道サービス業)
  ガソリンスタンド、レストラン、喫茶店、物品の小売り業、理容店、美容室、はり・灸マッサージ、農機具や
  自動車の修理サービス業など
  しかし、その敷地の位置の条件によって可も不可もあります。
4)旧既存宅地であった土地
  昭和45年の法改正以前に既存宅地として登記されていた土地については特例が適用されていました
  が、平成13年5月18日をもって廃止されました。但し改正都市計画法施行日から猶予期間が5年と
  いう事で、自己の居住用と自己の業務用の建築物は建てる事が出来ます。
  こういった市街化調整区域内で既存宅地を所有されている方は平成18年5月17日までに工事
  着工しなければ、これ以降は何も建てられなくなりますので、ご注意下さい!

5)病院、学校
(文部科学省に属する学校)福祉施設、公民館、集会場、その他公共の建物



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